AI(人工知能)のあゆみ

AI Robot

AI (人工知能) の概要や定義などを、以下のナレッジにて記載した。

AIは「人間と同じように自ら学習し、推測・判断する」ことを目指し、日々研究され進歩している。
本ナレッジではそのAIのあゆみや歴史について記載する。

 

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AI(人工知能)のあゆみ

AIのはじまり

AIのはじまりとして、”Logic Theorist” が世界初のAIプログラムと称されている。そして、”Logic Theorist” も発表された”ダートマス会議”にて、はじめて人工知能(Artificial Intelligence)という言葉が大々的に使用された。

  • ”Logic Theorist”
    • 1955年から1956年に、”Allen Newell”, “Herbert Alexander Simon”, “John Clifford Shaw”により開発された。
    • 人間の論理的推論をシュミレートすることを、意図的に設計・開発された世界初のプログラムである。
    • これは、数学の基礎に関する著作である ”Principia Mathematica (数学原論)” の定理を、様々な公理を総当たりで組み合わせることで証明した。
  • ダートマス会議
    • 1956年に開催された。
    • 本会議の発起人である “John McCarthy”により、“Artificial Intelligence (人工知能)”という言葉が使用された。
    • 前述の ”Logic Theorist” のデモンストレーションも行われた。

 

第1次 AIブーム

ダートマス会議を起点に1950年代後半、第1次AIブームが始まった。
”探索” と “推論” の研究に積極的に投資がされ、研究がなされた。これは問題を場合分けしながら総当たりで解を探索する。そしてその解に早くたどり着く方法を推論するものである。
AIアルゴリズムとしては、“探索木” や “プランニング”、”ニューラルネットワーク” などが生み出された。

しかし、”探索” と “推論” では、迷路やチェスといったトイプロブレムは解けても、複雑な現実の問題は解くことが出来なかった。現実の問題では様々なことが起こり、その発生する要因全てが問題の一部となるため、その要因の組み合わせは爆発的に増加する (組合わせ爆発) 。そして、その要因全てを探索することは、有限の情報処理能力しかない持たないコンピュータでは対処が出来なかった (フレーム問題) 。
そのため、1960年台後半から1970年代前半に、米国で ”ピアス勧告” が、英国で “ライトヒル勧告” が出せれ、投資が打ち切られていき、第1次AIブームは終了した。

 

第2次 AIブーム

1980年代に第2次AIブームが始まる。
この時は、”知識” をコンピュータに入れる研究が積極的になされた。これは、複雑な現実問題が解くことが出来なった点を考慮し、現実世界の知識をコンピュータに直接大量にインプットするアプローチである。
AIアルゴリズムとしては、エキスパートシステムが生み出される。これは、最初にコンピューターに多大な専門的な情報をインプットする。そうすることで、出された問いに対しインプットされた回答を返すことが可能となり、専門家のような振る舞いをコンピューターがするものである。

しかし、当時はコンピュータが必要な知識を自ら収集し蓄積することが出来なかったため、知識は人間がコンピュータに理解可能な状態で記述し、インプットする必要があった。
この人間が実施する作業は膨大な作業量であり、容易ではなかった。そのため、ブームも1990年台前半に終了していった。
作業量の例としては、1984年からアメリカで人間が持つあらゆる知識を集めた巨大なデータベースを構築しようとするCycプロジェクトがスタートしたが、30年以上たった現在でも完了しておらず、続いている。

 

第3次 AIブーム

2000年代後半から第3次 AIブームがはじまる。
これは、機械学習、特徴表現学習、ディープラーニング (深層学習) の研究が活発化したことに起因する。
2006年にディープラーニングが発表され、2012年に物体の認識率を競う大会ILSVRCにおいて、トロント大学のチームがディープラーニングによって従来の手法より圧倒的に良い認識率を出して勝利し、衝撃を与えた。

さらに、2012年にGoogleが「人が教えることなく、AIが自発的に猫を認識することに成功した」と発表した。
まず、YouTube上の動画の中から200×200ピクセルサイズの画像を無作為に1000万枚抽出。その画像をラベルをつけずに教師データがない状態でディープラーニングにより、1週間学習させAIモデルを開発。この開発されたAIモデルを利用すると猫が映っている画像を認識可能であったのである。
つまり、人間が何も教えずに、機械のみで ”猫” を認識可能となったのである。正確には 、これは教師データを与えない教師なし学習であるため、”猫” をラベルリングされたものを分類しているわけではなく、”猫という概念の生き物のグループ” をグループ分け可能となったということである。

元々機械学習やニューラルネットワークはこの時期より以前に提唱されたものであるが、これまであまり活用されていなかった。それが活用されてこのブームが起こった背景には、インターネットの普及、検索エンジンの誕生、クラウドサービスの誕生などにより、大量のデータの蓄積や膨大なコンピュータリソースの利用可能となり、それらを組み合わせたデータ処理が可能となった点があげられる。

 

現在と未来

現在もまだ第3次AIブームは終わっていない。
これは、第1次、第2次と違い、現在活用されているAIは実用可能なレベルものが多く、様々な現実の製品に搭載され利用されるに至っているためと考える。

AIの発展により、今後人間が今やっている仕事がAIにより代替可能となり、より便利となるとともに、社会に大きな変化をもたらすことが予想される。(機械やPCのように)
さらに一説によれば、人工知能が人間の脳の能力を超えるというシンギュラリティ(技術的特異点)が2045年には到達するといわれている。

 

現在活用されているAI(人工知能)のルーツ

現在日常的に様々なAI活用されている。それらは最近急に生み出されたものではなく、上記のような歴史の中で日々進化し、現在の形に至っているものが多い。そのルーツについて一例を記載する。

  • ”Apple Inc.” の ”Siri”
    • ”ELIZA” (自然言語処理プログラム)  ->  “Siri”
  • 自動運転 / 各種画像認識
    • 機械学習 / ニューラルネットワーク  ->  ディープラーニング  ->  自動運転 / 各種画像認識
  • チェスや将棋のAI プログラム
    • 探索木 / ハノイの塔  ->  プランニング  ->  チェスや将棋のAI プログラム
  • “IBM” の “IBM Watson”
    • Dendral / Mycin  ->  エキスパートシステム  ->  “IBM Watson”

 

AI(人工知能)のあゆみの中で生まれ、登場する、各時代のAIと関連研究については以下ナレッジにて記載する。

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