[調査] ホテル椿山荘東京の東京雲海の仕組み

Tokyo Sea Of Clouds

東京雲海とは東京都文京区の”ホテル椿山荘東京”が2020/10/1より公開している演出である。
これは、ホテルの広大で歴史ある庭園内に人工的な霧を発生させ雲海を生み出すことで、霧の間から見える緑の木々がまるで海に浮かぶ島々のような幻想的な景色が楽しめるものである。
NagareLabでは、ICTのナレッジ作成や調査を中心に行っているが、自然現象を人工的に生み出そうとする本技術は斬新で革新性が高いと考え、調査を実施する。

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雲海とは

雲海とは、山や航空機等の高い位置から見下ろした時に、一面に広がって海のように見える雲のことである。
この自然現象は山間部などで低気圧が通過し湿度が高くなっている時に、放射冷却によって地表面が冷えて空気が冷やされ、さらに風が吹かずにこの冷えた空気がボウル状の地形に留まった際、空気中の水分が霧や雲となり発生する。
雲海が見られる有名な名所として、世界ではペルーのマチュピチュ、日本では竹田城などがある。

東京雲海の技術

Tokyo Sea Of Clouds

雲海という自然現象を東京雲海では”ダ・ヴィンチ・ヘッダー”という雲や霧を作り出し噴出する装置で実現している。
具体的には、庭園内に配置した複数のノズルから、霧や雲と同じ約10~20ミクロンの細かい水の粒子を均一に噴出させることで創り上げている。
“ダ・ヴィンチ・ヘッダー”は”株式会社いけうち”の製品である。

Tokyo Sea Of Clouds

自然現象は原理が複雑でかつ規模が大きいものが多い。それゆえに通常観測出来ない現象は希少性が高く人にとって価値あるものであるケースが多い。
それを人工的に再現しようとする本技術は人が自然に意欲的に挑戦した斬新な技術であると考える。
人が自然に挑戦したそのプロセスを考えると、庭園に設置された1000基のLED投光器によるライトアップと相まって、より美しい演出のように感じる。

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