Google Cloud NextはGoogle Cloudのカンファレンスである。2020年はオンラインにて実施された。
本調査ではそのGoogle Cloud Next ’20のWeek 8: Cloud AIに関するセッションに参加してレポートを記載する。
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本レポートの概要
Google Cloud Nextは昨今毎年実施されている、Google Cloudのカンファレンスである。2020年はオンラインにて実施された。
Google Cloud Next ’20は9週に渡って実施されて、毎週異なるテーマのセッションが開催されている。
Week 8は Cloud AIに関するセッションが実施された。本カンファレンスのセッションに参加した。その中でもキーノートとして実施されたセッションについてレポートを記載する。
ソリューション キーノート – Generating Value with AI の概要
Week 8: Cloud AIのソリューションキーノートは「Generating Value with AI」である。本セッションの動画は下記から確認可能となっている。英語が苦手な場合でも、YouTube上の 設定 – 字幕 – 自動翻訳 – 日本語 にて日本語字幕の表示が可能である。
- https://cloud.withgoogle.com/next/sf/sessions?session=SOLKEY202#cloud-ai
- https://www.youtube.com/watch?v=Bl6Tw1rl-A0&feature=emb_logo
本セッションでは、AIを使ってイノベーションを起こし、価値を生み出す方法を紹介している。さらにGoogle Cloud AIを利用し、顧客がAIを導入して組織を変革する方法について説明している。スピーカーはGoogleにてGoogle Cloud AI と Industry Solutions 担当のVice PresidentであるRajen Shethが努めている。
ソリューション キーノート – Generating Value with AI の詳細および所見
本セッションの内容を一部我々の所見を加えながら、まとめる。
- AIを使って価値を生み出し、AIにより組織を変革可能である。その手段は下記2つの問題を解決することである。
- 企業が一般的に直面する共通の問題の解決
- 業界固有である独自の問題の解決
- 「企業が一般的に直面する共通の問題」のためのソリューション
- Contact Center AI (CCAI)
- https://cloud.google.com/solutions/contact-center?hl=ja
- 本サービスは世界クラスの対話型AIを採用している。
- Agent Assist for Chatモジュール 発表
- 音声通話に加えて、チャットでエージェントをサポート
- Custom Voice 発表
- 仮想エージェント向けに独自の音声を作成可能
- Dialogflow CX 発表
- DialogflowはCCAIの中核技術
- Dialogflowを大規模コンタクトセンター向けに最適化
- 複雑な対話型アーキテクチャをサポート
- [所見]
対話ストーリーの組み立てはDialoflow CXにて複雑なものをさらに容易に構成可能となり、インタフェース部分はCustom Voice、Agent Assist for Chatで拡充。ここまで進歩するとコールセンターは、革新技術の追加投入無く、素直に正常進歩し続けるだけで、数年で完全なAI委任可能になるように思われる。
- Document AI
- https://cloud.google.com/solutions/document-ai
- ドキュメントから分析情報を引き出し、非構造化データから構造化データを抽出
- Form Parser 発表
- フォームからテキストと空間構造を抽出
- Invoice Parser 発表
- 請求書から各種情報をテキストと値で抽出
- [所見]
日本の光学メーカー等が強かったOCR等の分野に、圧倒的な画像、テキストの学習データを保持しているGoogleが本格参入すると、技術革新が起こると思われる。抽出したテキストデータの処理は精度の高い自然言語処理エンジンを持つGoogleの得意分野である。さらにそこをフックに、手書きを伴う全ての事務作業へのアプローチしERPへの本格参入も意識されているのではと思われる。
- Contact Center AI (CCAI)
- 「業界固有である独自の問題」のためのソリューション
- 例: 小売業界に対するソリューション
- Recommendations AI
- https://cloud.google.com/recommendations?hl=ja
- リアルタイムの行動、品揃え、価格などの可変要素の変化に動的に対応できるレコメンデーション
- Recommendations AI
- 例: 金融業界に対するソリューション
- Lending Document AI 発表
- 金融機関の住宅ローンを迅速に処理可能な「Document AI」の新バージョン
- 借り手の収入や資産に関する文書を処理可能
- Procure-to-Pay Document AI 発表
- 請求書や領収書といった特定文書から構造化データを抽出し、調達サイクルの自動化を支援
- Lending Document AI 発表
- 例: 小売業界に対するソリューション
- AI Platform
- https://cloud.google.com/ai-platform?hl=ja
- AIで価値を出すためには、ML エンジニア、データ サイエンティスト、開発者によるチームでの取り組みが必要、その各担当者のプロセスを支援するプラットフォーム
- MLエンジニア向けサービス
- AI Platform Pipeline
- https://cloud.google.com/ai-platform/pipelines/docs/introduction?hl=ja
- MLOpsを簡素化するために、MLパイプライン向けのサービス
- Continuous monitoring service 発表
- 機械学習モデルのパフォーマンスを監視可能とするサービス
- ML metadata management service 発表
- トレーニング、デバッグ、監査、コラボレーションのために、モデルの出所を判断可能とするサービス
- AI Platform Pipeline
- データサイエンティスト向けサービス
- AI Platform にAuto MLを統合
- MLモデル構築時の非コードとコードベースのオプションが増加
- AI Platform Notebooks一般提供開始
- MLモデルを実験、開発、本番環境にデプロイするための統合された安全なJupyterLab環境を提供
- AI Platform にAuto MLを統合
- 開発者向けサービス
- 各種事前トレーニング済みAPI
- AutoMLの画像モデルもアップデート
- Explainable AI
- https://cloud.google.com/explainable-ai?hl=ja
- 説明可能なAI
- どの特徴がモデルにどれだけ影響を与えているのか確認可能
- [所見]
DeepLearningにて使うデータ、特徴を自動で判断し精度の高いAIモデルを構築可能となった。しかし、人は分からないもの、理解できないものを忌避する傾向にある。そのため、以前より、人が自身で利用する特徴を決めて作成するAIモデルより高い精度のAIモデルであっても、利用にためらうケースがあった。このサービス、技術により説明可能となれば人の安心が確保できる。
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